まるで開店のころ。

無伴奏チェロを聴きながら一番奥の窓際の席に立って外を見ている自分にとても懐かしさを感じた。お客様が多くなってからはオープンする前にグレイのブラインドを閉める時と、ちょっと眺めるくらいにしか立たない場所。そうだよ、オープンした頃はこの場所に立っていつも外を見ていたなー。そんなこと思いながら久しぶりに長い時間、店の前を通る道やその向こうに広がるこの町の風景を眺めた。道が雨にぬれて黒く光って車の通る音も少し大きい。この席からの眺めはわるくないし向かい側の古い建物もかなりいい。来店する人は本当に少なくなってしまって経営者としては心配だが、静かな店内から外を眺め、開店した頃の気持ちに戻る時間も悪くない。このお客様の少なさが自分と各スタッフにSHOZOスタートの頃の苦労や気持ちを共有させてくれているようにも思え、まるでお店を始めた時のようだ。